静岡県伊豆半島に点在する温泉へのリトリートに最適なのが、全車両グリーン車の「サフィール踊り子」号です。東京駅・新宿駅と伊豆急行線伊豆急下田駅間を結び、上質な空間で移動そのものを楽しめます。
この列車のために新調されたE261系電車には、一般的な座席に加えて個室が備えられており、ファミリーやグループであっても心置きなく乗車できます。
さらに、この列車にはカフェテリアが連結されており、車窓を楽しむばかりではなく食事をいただく体験が格別です。
このように、「サフィール踊り子」号は移動そのものが目的となる観光性の列車ですが、列車の予約方法や料金体系がそれなりに複雑です。一体どのようにきっぷを準備すればいいのかとお考えではないでしょうか。

子ども連れのファミリーがこの列車に乗車する場合、座席と個室では人数の数え方やきっぷの組み合わせについて考え方が異なります。きっぷ代金の総計が利用設備によって大きく変わる点に、留意したいです。
この記事では、多様な設備を備える特急「サフィール踊り子」号の複雑な料金体系やきっぷの買い方について、かみ砕いてご説明します。理解を深めていただくため、グリーン個室に乗車した際に車内を探訪して得た視覚的な情報を、あわせて共有します。
ファミリーやグループで利用する読者さまが当記事を参考にして、良い旅行を楽しんでいただければ幸いです。
- E257系特急「踊り子」号とは全く違った全車両グリーン車の列車であること
- グリーン個室ではカフェテリアからのデリバリーを受けられること
- A特急料金が適用され、シーズンによって特急料金が変動すること
特急「サフィール踊り子」号の概要・運行区間

全車両グリーン車の上質空間に身を置き、静岡県伊豆半島への移動そのものを楽しむための列車が、特急「サフィール踊り子」号です。
E261系電車という車両が、この列車のために新調されました。目的地までの移動時間が退屈であるというこれまでの常識が打ち破られています。
特急「サフィール踊り子」号の概要
8両編成のE261系電車には、オープン空間の座席車両とコンパートメントタイプの個室車両、そしてカフェテリア(食堂車)が連結されています。利用できる設備は、以下の通りです。
- 一般のグリーン車(3列シート)
- プレミアムグリーン車(2列シート:定員20名)
- グリーン個室(4人用と6人用が各4室づつ)
全車指定席のため、乗車するためにはあらかじめ特急券・グリーン券を購入しておく必要があります(もちろん普通乗車券または交通系ICカードも必要です)。
E257系電車で運行される従来からの特急「踊り子」号では、座席未指定券で列車に飛び乗ることも可能です。しかし、サフィール踊り子号の場合、座席未指定券では乗車できません。

非日常感を満喫できる贅沢列車ですが、お値段も張ります。グループやファミリーで利用する場合、料金単価が一般席と同額の個室利用がおススメです!
「サフィール踊り子」号の運行区間・乗車パターン
東京・横浜と伊豆半島の東伊豆地区を結ぶ特急サフィール踊り子号は、JR東海道線・JR伊東線と伊豆急行線を走ります。この列車の運行系統は、以下の2通りです。
- JR東海道線東京駅→伊豆急行伊豆急下田駅間:毎日運行
- JR新宿駅・渋谷駅→伊豆急行伊豆急下田駅間:土休日下り列車のみ

伊豆急行線に乗り入れる特急サフィール踊り子号については、乗車区間によって以下の乗車パターンがあります。
- JR線区間のみ乗車
- JR線と伊豆急行線にまたがって乗車
- 伊豆急行線内のみ乗車
いずれのパターンでも座席指定を受けられますが、乗車区間によってはすべての駅できっぷを購入できるわけではありません。
E257系電車で運行される特急「踊り子」号とは別物
JR東海道線・伊東線および伊豆急行線内には、E261系電車で走る全車両グリーン車の特急「サフィール踊り子」号に加え、E257系電車で運行される特急「踊り子」号が走っています。
特急「踊り子」号の名称は、特急「サフィール踊り子」号とよく似ていますが、全く別の列車です。
E257系車両で運行される特急「踊り子」号に関する情報をお探しの場合、以下の記事(↓)をぜひご一読ください。
「サフィール踊り子」号のさまざまな設備
この列車は全車両グリーン車ですが、車内の設備は3つのグレードに分かれます。
プレミアムグリーン車

プレミアムグリーン車は、2列シートの豪華リクライニングシートが備わった最上級のグレードです。この車両の定員は、わずか20名です。座席は新幹線のグランクラスに似ていますが、アテンダントによる飲食提供およびカフェテリアのデリバリーサービスはありません。
プレミアムグリーン車は1号車に位置しており、先頭部分は展望車両です。伊豆急下田駅ゆきの下り列車では、1号車1番AB席は最前部を眺められる良席です。
グリーン個室(4人用・6人用)

グリーン個室は2号車と3号車に連結されており、各車両に4人用の個室2室と6人用の個室2室があります。2号車と3号車合わせて、わずか8室の設備です。室数が少ないため、購入はお早めに。
グリーン個室料金を1室分支払えば、1名でもグリーン個室の利用が可能です。グリーン個室では、カフェテリアから飲食物がデリバリーされるので、車内でおいしいものをいただきながら旅を満喫できます。
一般のグリーン車

5号車から8号車に連結されているのが、一般のグリーン車座席です。横3列のリクライニングシートが備わっています。豪華さの中にもカジュアルさが感じられ、気軽に利用できる設備ではないでしょうか。
各車両のA席およびB席が2人掛けの座席で、海寄りです。C席は1人掛けで、山側に位置します。
東京駅・新宿駅寄りの8号車は、上り列車において最前部の展望車両です。その中でも8号車1番A-C席は展望座席なので、お早めの座席確保をおススメします。
「サフィール踊り子」号のカフェテリア

「サフィール踊り子」号の4号車には、カフェテリアがあります。一度は絶滅した食堂車が、この列車で復活した形です。
この車両では、ミニラウンジで休息したり、専門店監修の料理を予約制でいただけます(提供されるメニューが定期的に変わります)。メインメニューやおつまみの他、アルコール飲料を注文可能です。グリーン個室に限っては、各室へのデリバリーサービスを利用可能です。
「サフィールPay」というウェブサイト上でメニューを参照し、あらかじめ予約しておきます。メニューなどの詳細については、以下のサイトを参照してください(スマートフォンから閲覧)。

列車の概要や設備を理解できたところで、運賃・料金やきっぷの買い方の話に進みます!
「サフィール踊り子」号の運賃・料金体系

全車指定席の「サフィール踊り子」号に乗車するには、あらかじめ必要なきっぷを購入します。ここでは、運賃および料金について詳しくご説明します。
乗車する設備に応じて料金を算出するため、料金の種別や人数のカウント方法を理解する必要があります。座席と個室によって料金計算の考え方が異なるため、旅行業務取扱管理者試験の題材として好適です。試験合格を目指す人は、確実に押さえましょう。
乗車に必要な運賃・料金
サフィール踊り子号に限らず、グリーン車に乗車するためには、以下の運賃・料金が必要です。
運賃【通年】
乗車券の代金が、運賃に相当する部分です。サフィール踊り子号に乗車する場合、普通乗車券(紙のきっぷ)を購入するか、交通系ICカードに運賃分の金額をチャージしておきます。
外国人や大人の休日俱楽部会員向けのフリーきっぷを使用する場合、当該きっぷが乗車券として機能します。乗車する設備によっては、特急料金およびグリーン料金が別にかかります。
A特急料金【シーズン別】
サフィール踊り子号の特急料金に関しては、E257系踊り子号と異なり、より高額なA特急料金が適用されます。特急料金の差によって、両列車の差別化が図られていると言えるでしょう。
2023年4月以降、グリーン車を利用する場合であっても、特急料金にシーズナリティが導入されました。シーズンによって、特急料金が変動します。グリーン車利用となるため、シーズン別の金額から大人530円を減算します。
シーズン別特急料金の適用日カレンダーを掲載した記事を、必要に応じて参照してください。
グリーン料金【通年】
グリーン車を利用する場合にかかる料金です。この列車には3つのグレードがあり、グレードによってグリーン料金が決まっています。各グレードによるグリーン券の種類について、引き続きご説明します。
設備によるグリーン料金の種類
サフィール踊り子号に連結されているグリーン車の設備によって、以下のグリーン料金が設定されています。
プレミアムグリーン車
1号車のプレミアムグリーン車に乗車する場合、プレミアムグリーン車用のグリーン料金が適用されます。「プレミアム」ということもあり、一般のグリーン車よりも金額がグンと上がります。
年齢によらず、座席を使用する場合は1席単位で課金されます。
一般のグリーン車
5号車から8号車にかけての一般のグリーン車に乗車する場合に適用される料金です。E257系特急「踊り子」号に適用されるグリーン料金と、「サフィール踊り子」号一般グリーン車両におけるグリーン料金は、JR線区間に関しては同額です(伊豆急行線内のグリーン料金には差があります)。
プレミアムグリーンと同様、座席を使用する場合は年齢にかかわらず、1席単位で課金されます。
グリーン個室
2号車および3号車に連結されたグリーン個室にかかる料金です。個室の定員によって、1室あたりの金額が設定されています。乗車人数にかかわらず、定額です。
詳細については後述しますが、未就学児(幼児・乳児)については人数としてカウントしません。
運賃・料金の計算方法
乗車する設備に応じて、乗車人員分の運賃・料金を合算します。
[運賃+A特急料金+グリーン料金]
座席タイプのグリーン料金
プレミアムグリーン車および一般のグリーン車については、座席1席単位で運賃・料金を計算します。
[乗車人数 x 運賃+乗車人数 x(A特急料金-530円)+乗車人数 x グリーン座席料金]
個室タイプのグリーン料金
グリーン個室については、個室1室単位で運賃・料金を計算します。
[乗車人数 x 運賃+乗車人数 x(A特急料金-530円)+グリーン個室料金1室分]

座席と個室が併存するサフィール踊り子の料金体系を理解するには、大人と子どもの人数カウント方法を確実に押さえたいです。
乗車人数のカウント方法(座席・個室)
子どもを同伴したファミリーがこの列車に乗車する場合、乗車人員のカウント方法を押さえる必要があります。未就学児については、座席を使用する場合と個室に乗車する場合とでは、考え方が異なります。
ここでは、大人3名、小児(小学生)1名、座席を使用する幼児(未就学児)1名の、計5名で東京駅・伊東駅間を利用する場合の運賃・料金を試算します。一般のグリーン車の座席と4人用グリーン個室を利用するケースを、それぞれ想定します。
座席タイプの設備
プレミアムグリーン車と一般のグリーン車には座席が配置されており、1席単位で料金が課金されます。座席のグリーン車に関しては座席を使用する場合に1人とカウントし、大人と子どもを区別しません。
小学生(小児)および大人・小児に同伴される未就学児(幼児・乳児)が座席を使用する場合の運賃・料金の計算方法は、以下の通りです。
小児:
[小児運賃+小児A特急料金+グリーン券(大人・小児同額)]
幼児・乳児:
[小児運賃+小児A特急料金+グリーン券(大人・小児同額)]
大人・小児に同伴された幼児・乳児(2名まで)が座席を使用しない場合、乗車人数にカウントしません(運賃・料金はかかりません)。
この設例では、大人3名、小児2名分の運賃・料金を合計します。
【東京駅・伊東駅間の運賃・料金試算】
一般のグリーン車 | 大人単価 | 小児単価 |
運賃 | 2,310 | 1,150 |
A特急料金【通常期】 | 1,860 | 930 |
グリーン料金 | 2,800 | 2,800 |
運賃・料金単価 | 6,970 | 4,880 |
乗車人数 | 3 | 2 |
運賃・特急料金小計 | 20,910 | 9,760 |
総計金額 | 30,670 |
個室タイプの設備
グリーン個室に関しては、定員以内であれば乗車人員を問わず、1室単位で課金されます。グリーン個室料金の他、乗車人数分の運賃・特急料金がかかります(小学生は小児運賃・料金)。
大人・小児に同伴された幼児・乳児(2名まで)については乗車人員にカウントせず、常に無賃です。
この設例では、グリーン個室1室分の料金のほか、大人3名分の運賃・A特急料金および小児1名分の運賃・A特急料金を合計します。
【東京駅・伊東駅間の運賃・料金試算】
4人用グリーン個室 | 大人単価 | 小児単価 |
運賃 | 2,310 | 1,150 |
A特急料金【通常期】 | 1,860 | 930 |
運賃・料金単価 | 4,170 | 2,080 |
乗車人数 | 3 | 1 |
運賃・特急料金小計 | 12,510 | 2,080 |
グリーン個室料金 | 11,200 | |
総計金額 | 25,790 |
主な乗車区間の設備ごとの運賃・料金額

以上の説明をもとに算出した主な区間の運賃・料金(大人1人当たりの単価)を、区間別に表にまとめます。
下表から、プレミアムグリーン席の料金が抜きんでて高額なことが分かります。一方、グリーン個室の料金は、人数で割ると実は一般のグリーン席と単価が変わりません。グリーン個室は、コスパに優れた設備と言えるでしょう。
東京駅・伊東駅間
JR線区間のみの運賃・料金を合計します。特急料金については、シーズン別の加算・減算を行います。
運賃・料金の種別 | 人数 | 通年 | 通常期 | 閑散期 | 繁忙期 | 最繁忙期 |
運賃(普通乗車券) | 1人当たり | 2,310 | ||||
A特急料金 | 1人当たり | → | 1,860 | 1,660 | 2,060 | 2,260 |
プレミアムグリーン料金 | 1人当たり | 4,300 | ||||
グリーン料金(5-8号車) | 1人当たり | 2,800 | ||||
4人用グリーン個室料金 | 1室当たり | 11,200 | ||||
(人数割り) | 2,800 | |||||
6人用グリーン個室料金 | 1室当たり | 16,800 | ||||
(人数割り) | 2,800 |
東京駅・伊豆急下田駅間
JR線区間の運賃・料金と伊豆急行線区間の運賃・料金を合計します。JR線区間の特急料金にはシーズン別の加算・減算が適用される一方、伊豆急行線内の特急料金は通年で同額です。
下表に示す特急・グリーン料金については、伊豆急下田駅の他、伊豆急行線内の停車駅全駅で共通です。
運賃・料金の種別 | 人数 | 通年 | 通常期 | 閑散期 | 繁忙期 | 最繁忙期 |
運賃(普通乗車券) | 1人当たり | 4,000 | ||||
A特急料金 | 1人当たり | → | 2,560 | 2,360 | 2,760 | 2,960 |
プレミアムグリーン料金 | 1人当たり | 6,100 | ||||
グリーン料金(5-8号車) | 1人当たり | 3,700 | ||||
4人用グリーン個室料金 | 1室当たり | 14,800 | ||||
(人数割り) | 3,700 | |||||
6人用グリーン個室料金 | 1室当たり | 22,200 | ||||
(人数割り) | 3,700 |
大人の休日倶楽部会員割引について
大人の休日倶楽部の会員であれば、サフィール踊り子号の運賃・料金について、会員種別ごとの割引率で割引を受けられます。
ただし、乗車する設備によっては、特急料金およびグリーン料金が割引の対象に含まれません。下表に、設備ごとの割引の有無をまとめました。
設備 | 運賃 | 特急料金 | グリーン料金 |
プレミアムグリーン車 | 割引あり | 割引なし | 割引なし |
グリーン個室 | 割引あり | 割引あり | 割引なし |
一般のグリーン車 | 割引あり | 割引あり | 割引あり |
「サフィール踊り子」号 きっぷの購入方法・様式

「サフィール踊り子」号は全車指定席であるため、乗車する前にきっぷを用意します。指定券の発売開始時期および発売箇所は、次の通りです。
指定券の発売時期
「サフィール踊り子」号の指定券は、乗車日1か月前の10時00分から発売が開始されます。ネット予約サービスを利用する場合であっても、駅できっぷを購入する場合であっても、発売開始時期は同じです。
ネット予約サービス「えきねっと」を利用する場合、乗車日1か月7日前の14時00分から事前受付にエントリーできます。事前受付は座席の確約ではないため、席が取れない場合があることを覚えておきましょう。
指定券の発売箇所【ネット】
乗車区間にJR線を含んでいる場合、ネット予約サービスできっぷを購入できます。
指定券を購入できる駅が、都市部を中心に減少しています。そのため、ネット予約サービスを利用すると便利です。「サフィール踊り子」号のきっぷを購入できるサービスは、以下の通りです。
- えきねっと(JR東日本)
- e5489(JR西日本)
この内「えきねっと」では、一般のグリーン車およびプレミアムグリーン車の指定券を購入できます。また、紙のきっぷだけではなく、チケットレス特急券の購入が可能です(2025年4月から)。
e5489の場合、購入できる設備が一般のグリーン車、購入できる区間がJR線内で完結する場合に限定されます(伊豆急行との連絡きっぷの購入は不可)。
サービスによって、紙のきっぷを受け取れる駅に限りがあります。最寄り駅に応じてサービスを使い分けるとよいでしょう。
指定券の発売箇所【駅・旅行会社】
JR各社の駅窓口および指定席券売機、主な旅行会社では、グリーン個室の指定券を含め、すべてのきっぷを購入できます。乗車区間が伊豆急行線内で完結する場合、きっぷを購入できるのは、JR伊東駅みどりの窓口または伊豆急行線の各駅窓口に限定されます。
グリーン個室については合計8室しかないため、週末や繁忙期に乗車する場合、乗車日1か月前の10時00分に購入することをおススメします。

「サフィール踊り子」号のきっぷのうち、グリーン個室と伊豆急行線内のきっぷの様式をご覧に入れます!
グリーン個室への乗車に必要なきっぷの様式
グリーン個室を利用する場合のきっぷは、特急券および個室用のグリーン券が1枚にまとまっています。1人に1枚のきっぷではなく、1室で1枚だけ個室のきっぷが発行される形です。

個室のグリーン料金として1室分の金額が、特急券として乗車人数分の合計金額が表示されています。個室のグリーン券は、マルス12cm券です。

普通乗車券(紙のきっぷ)を購入した場合の様式は、この通りです。
伊豆急行線内のみを利用する場合のきっぷの様式
乗車区間が伊豆急行線の伊東駅と伊豆急下田駅の区間で完結する場合であっても、サフィール踊り子号に乗車できます。ただし、グリーン個室については伊豆急行線の区間のみでは利用できません。
この場合、特急券・グリーン券は伊豆急行線内の列車停車駅で購入することになります(ネットでは購入不可)。

伊東駅から伊豆急行線内の停車駅まで、一般のグリーン車に乗車する場合の特急券・グリーン券の様式は、この通りです。

特急券・グリーン券の料金が表示された本券と、席番が表示された指定券(指のみ券といいます)が、ホチキス止めされた状態です。

お待たせしました!サフィール踊り子号の車内の様子をお伝えします!
「サフィール踊り子」号の車内探訪・乗車体験【2021年】
列車の運行開始から1年経った2021年3月、伊豆急下田駅から「サフィール踊り子」4号に乗車しました。現在でも設備やサービスには変更がないため、この時の様子が参考になると思います。
4号:
伊豆急下田駅 16時34分発 → 東京駅 19時20分着

定刻の30分前にホームに入場させてもらい、普通列車の車両と並んでいるサフィール踊り子号の車両を撮影。車両自体は早くから入線していましたが、列車のドアが開いたのは改札が始まる16時20分頃でした。

伊豆急下田駅改札口の発車標。東京に戻る特急列車の最終列車が、今回乗車したサフィール踊り子4号でした。臨時列車がない日は定期列車の最終列車で、乗り遅れたら普通列車で帰るしかありません。

車体に刻まれたサフィール踊り子号のロゴマーク。塗装がまだきれいで、光に反射していました。
「サフィール踊り子」号の車内探訪
始発駅での発車までの合間を縫って、列車の各設備を探訪してみました。
プレミアムグリーン車

1号車は、プレミアムグリーン車です。グリーン車マークの左側にある宝石のロゴマークが高級感を醸し出しています。

車内の様子。1列2席の座席で定員が20席の至福の空間です。暗色でまとめられた重厚かつ上品な空間です。

伊豆急下田駅方の先頭部分。下り列車で運行される場合、1番AB席からの全面の眺めは最高に違いありません。

各座席はシェル型で、前の人が座席をリクライニングさせても気にならない設計です。
グリーン個室

2号車と3号車は、グリーン個室です。山側に配置された通路には天窓があり、明るいです。

6人用グリーン個室の座席配置。海側に向かっており、相模湾の風景を楽しめるようになっています。壁面には装飾があります。

違う角度から見た6人用個室。定員の6人で乗車すると、個室内は狭さを感じるかもしれません。

筆者が実際に乗車した4人用のグリーン個室。基本的には6人用個室と同じインテリアですが、座席配置だけ異なっています。

違う角度から見た4人用個室。オーソドックスな座席配置ですが、本革シートの高級感が際立っています。

山側には鍵のかからないドアがあり、通路から個室の中をのぞける仕様です。ドア側の壁にあるミニテーブルには、定員分の電源コンセントがあります。衣類をかけるハンガーがないのが残念です。

丁寧な装飾が施された壁面。写真右側には2段のトレーがあり、個室の外から飲食物のトレーを出し入れできる仕様になっています。
共用設備

4号車のカフェテリア。飲食サービスが提供されていなかったので、厨房はがらんとしていました。アテンダントさんが2名乗務していましたが、サービスが提供されていないので添乗しているだけ。個人的には、手持ち無沙汰なように思えました。

カフェテリアのミニラウンジ部分。茶系の落ち着いた色使いがシックです。

8号車の一般のグリーン車車両。1列3席の座席配置ですが、他の列車のグリーン車と比較すれば、サフィール踊り子号の高級感が十分感じられます。最前部は展望座席です。リクライニングシートには、全席に電源を取るためのコンセントが設置されています。

トイレは最新のウォシュレット付きで、大変清潔です。壁に据え付けられたウォシュレットの操作ボタンもかなり高機能です。
伊豆急下田駅を発車し、一路東京駅へ!

列車は、定刻の16時34分に伊豆急下田駅を発車。伊豆急行線内は特急列車の各停車駅に順次停車しながら伊東駅に向けて走っていきました。車両が製造されてから時間がたっていないため乗り心地が大変よく、乗車していた3時間弱の時間が短く感じられました。

個室からは、誰にも邪魔されない相模湾の風景を堪能できました。晴れていれば、夕日に映える伊豆大島がきれいに見えたはずです。
伊東駅でJR東日本の乗務員に交代するため、5分間の停車時間があります。その時に一度ホームに出て、外の空気に触れました。
伊東駅を出発してから途中停車したのは熱海駅、横浜駅、品川駅で、東海道線内は疾走しました。途中熱海駅で乗客の乗り降りがありましたが、概ね静かな車内でした。東京駅に定刻に到着して、上質な空間での乗り鉄のひと時が終わりました。
まとめ

ハイグレードのE261系電車で運行する「サフィール踊り子」号。東京駅・新宿駅と伊豆急下田駅を結びます。E257系電車で運行する特急「踊り子」号とは、まったく別の列車です。
全車両グリーン車の中でもグレードが分かれ、最高級のプレミアムグリーン、グリーン個室、一般のグリーン車と、3種類の設備があります。プレミアムグリーンの価格設定が最も高く、一般のグリーン車とグリーン個室の価格は同じ水準です。
一般のグリーン車とプレミアムグリーン車については、ネット予約サービス「えきねっと」で予約購入が可能です(事前受付の対象)。グリーン個室は駅でのみ購入可能で、事前受付はありません。
カフェテリアでの食事を楽しむには、事前に専用ウェブサイト「サフィールPay」にアクセスして、購入決済をします。グリーン個室専用のメニューがあり、個室までデリバリーしてもらえます。
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考資料
● 「サフィール踊り子」号 公式ウェブサイト(JR東日本)2025.3閲覧
● 「サフィールPay」ウェブサイト【スマートフォン専用】2025.3閲覧
当記事の改訂履歴
2025年3月17日:当サイト 第2稿
2023年12月31日:当サイト初稿(リニューアル)
2021年4月11日:前サイト初稿(原文作成)
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