西武鉄道特急ラビュー「ちちぶ」号~きっぷの予約購入方法・乗車体験~

西武鉄道001系電車西武秩父駅にて 列車別のきっぷ

東京と埼玉県秩父地方を結ぶ西武池袋線・秩父線には、長年特急列車が走っています。池袋駅から飯能駅を経て西武秩父駅に至る76.8kmの区間を、約1時間20分で結んでいます。

この区間を走る特急列車の車両が、2019年に一新されました。「Laview(ラビュー)」という名称の新車両がデビューしましたが、鏡のようなシルバーの車体と黄色の内装が特徴的です。

この列車で訪れることができる埼玉県秩父地方は、メジャーな観光地とは言い切れません。しかし、パワースポットの三峯神社や長瀞へ向かうための便利な足になります。一方で、特急「ラビュー」は、西武鉄道沿線に在住するユーザーの日常の足でもあります。観光性と日常性の両面を兼ね備えた特急列車と言えるでしょう。

特急「ラビュー」は全車指定席ですが、一体どのように予約すればよいのでしょうか。あらかじめ、きっぷの買い方をチェックしておきたいです。

ネットで特急券を購入し、交通系ICカードを使用すると、チケットレス乗車が可能です!

この記事では、西武鉄道池袋線・秩父線を走る特急列車「ラビュー」の概要を説明した上で、列車に乗車するために必要なきっぷについてご説明します。その上で、特急「ラビュー」の001系車両を探訪し、西武秩父駅まで走る特急「ちちぶ」号に実乗した体験を共有したいと思います。

この記事を読むと分かること
  • 運行区間により、予約上の列車名が異なること
  • 他社の特急列車よりも価格設定がリーズナブルなこと
  • 新型車両の設計デザインが類を見ないほど斬新なこと

西武鉄道特急「Laview(ラビュー)」の概要・運行区間

西武鉄道001系電車

西武鉄道池袋線・秩父線には、1969年から現在に至るまで特急列車が走っています。当初は特急「レッドアロー」号として運行が始まりましたが、2019年に新型特急車両「Laview(ラビュー)」が導入されました。

西武鉄道の特急列車の中では、この列車が花形といえるでしょう。

車両

特急「ラビュー」に使用される001系車両は、著名な女性建築家によってデザインされた斬新なスタイルが大きな特徴です。鉄道車両のデザインはステレオタイプになりがちですが、この001系車両によって従来の鉄道車両の常識が覆りました。

運行区間

西武鉄道池袋線・秩父線を走る特急「ラビュー」は、運行区間によって列車名が変わります。現在走っているのは、以下の3系統です。

特急ラビュー系統図

特急「ちちぶ」号

池袋駅(東京都豊島区)から西武秩父駅(埼玉県秩父市)まで、西武池袋線・秩父線の全区間を走るのが、特急「ちちぶ」号です。平日・土休日を問わず、概ね1時間間隔で走ります。

列車の終着駅である秩父地方に観光地を擁するため、地元ユーザーだけではなく、多くの観光客にも利用されています。

特急「むさし」号

池袋駅から途中駅の飯能駅(埼玉県飯能市)までの区間を走るのが、特急「むさし」号です。この列車も、概ね1時間間隔で運行されています。上記の特急「ちちぶ」号とあわせ、飯能駅までの区間では概ね30分間隔で特急列車が走る形です。

東京のベッドタウンである東京都北多摩地区および埼玉県西南部と東京都心を結ぶ通勤ライナー的な役割を持っています。

● 特急「ドーム」号

埼玉県所沢市にある西武ドーム(ベルーナドーム)でイベントが開催される際、臨時列車として池袋駅と西武球場前駅の区間を走ります。001系車両ではなく、10000系車両で走る場合もあるようです。

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特急「ラビュー」の料金

西武池袋駅特急のりば

特急列車である特急「ラビュー」に乗車するには、運賃の他に特急料金が必要です。乗車区間ごとに料金が決まっています(厳密にはキロ程で料金が定められています)。

営業キロ料金(円)主な区間
1-18km400
19-35km500池袋・所沢間
36-60km600池袋・飯能間/所沢・西武秩父間
61km-900池袋・西武秩父間
2024年1月現行のねだん

上表の通り、JRや他の私鉄に比べてシンプルかつ安価な設定です。

新造されて以来あまり時間が経たない快適な車両に全区間乗車しても、大人1,700円程度で乗車できます。同距離のJR特急列車や東武鉄道特急列車の料金が概ね2,500円かかることを考えると、特急「ラビュー」はコスパに優れていると言えます。

西武線沿線には高速道路が並行していないため、高速路線バス等の競合相手がないにもかかわらず、料金設定はリーズナブルです。

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特急「ラビュー」きっぷの買い方

特急ラビュー特急券

それでは、特急「ラビュー」の特急券や乗車券をどのようにして用意すればよいか、お話しします。

ネット予約サービス「Smooz」で予約購入

いつでもどこにいても特急券を予約購入できるのは、ネット予約です。西武鉄道のネット予約サービスは「Smooz(スムーズ)」と呼ばれています。

多くの他社ネット予約サービスでは会員登録が必要なのに対し「Smooz」では会員登録は必須ではありません。ただし、ゲスト利用をする場合、会員登録した場合より機能や取り扱いが若干不利になります。

当日予約が中心と思われる西武線特急列車ですが、特急券の発売開始が乗車1か月前の午前7時であることを覚えておくとよいでしょう。

代金の決済は、クレジットカードの他、キャッシュレス決済のPayPayでも可能です。

ネット予約した場合、駅でのきっぷの受け取りはありません。乗車当日に、以下のような「ネット購入券」をスマートフォン画面に表示します。

特急ラビューちちぶ号特急券
引用元:西武鉄道Smoozウェブサイト

西武鉄道のネット予約サービス「Smooz」の特長やユニークな機能(領収書の表示方法など)について、別の記事(↓)にまとめました。このサービスについて情報が必要な場合は、是非ご一読ください。

西武線の各駅で特急券を購入

西武線内の主要な駅にある特急券うりばでも、特急「ラビュー」の特急券を購入できます。なお、特急券を事前に買わずに乗車し、車内で特急料金を支払う場合は、1人あたり200円増しになります。

● 特急券の発売開始時期

乗車1か月前の午前7時から、前売が開始します前売分は、駅窓口のみで発売されます(7時から20時まで)。

● 特急券の発売箇所

特急列車の停車駅およびその周辺の駅で発売されます。全駅に発売窓口があるわけではないことに留意したいです。

当日券は駅窓口に加え、発駅の特急券券売機でも購入できます。券売機では、自分で希望の座席を選べない場合があります。

駅窓口で特急券を購入する際の決済手段は、現金か交通系ICカードのいずれかです。クレジットカードで決済したい場合、上記のネット予約を利用するとよいと思います。

● 特急券の様式

駅窓口および券売機で購入した特急券は、このような様式です。

西武鉄道特急券

西武鉄道の特急券の値段は、紙のきっぷであってもネット予約であっても同額です。したがって、駅で特急券を購入するのがまだまだ主流のように思えます。

旅行会社(JTB)で特急券を購入

西武鉄道沿線在住でない場合、西武線の駅できっぷを購入するのは困難です。旅行会社の中では、JTB各店にて西武鉄道の特急券の取り扱いがあります。

この場合、特急券の金額に加え、取扱手数料がかかることに留意しましょう。

乗車券について

特急「ラビュー」に乗車するには、特急券の他に乗車券も必要です。乗車券には、普通乗車券(紙のきっぷ)の他、以下が含まれます。

  • 交通系ICカードでのIC乗車
  • 株主優待乗車証
  • 各種フリーきっぷ

西武線内では、普通乗車券での途中下車の取扱はありません。

西武鉄道には、1枚で1回乗車できる株主優待乗車証があります。入手できた場合、普通乗車券を購入するよりも安く上がります。ただし、ばら売りではあまり販売されていないように見受けます。

西武鉄道では、秩父フリーきっぷなどの各種フリーきっぷがお手頃です。フリー乗車区間に入るまでの往復乗車分の運賃が2割引になるので、秩父地方を訪れる場合には利用を検討したいです。

秩父地方をめぐるフリーきっぷについて、別の記事(↓)にまとめてあります。各きっぷの特長や選択のポイントなどの情報が必要な方は是非ご一読ください!

ここからは、インスタ風にまとめた車内の様子をご覧いただきます。

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特急「ラビュー」の車両探訪

筆者が特急「ちちぶ」号で池袋駅から西武秩父駅までの全区間を乗車した際の車両を、ここでご紹介します。

多くの鉄道会社が採用している著名な男性工業デザイナーではなく、別の女性建築家によってデザインされた特急「ラビュー」の001系車両は、外装・内装とも非常に斬新です。

エクステリア(外装)

西武鉄道001系電車池袋駅にて

車両の前面は、他には類を見ない球形のフォルムです。前面ガラスを曲面にカットしているところに、日本の車両製造技術の高さを感じます。

西武鉄道001系電車外装

車体の色は明るいシルバーで、鏡のような仕上がりです。

西武鉄道001系電車外装

行先標のサイズは小さめですが、鮮やかなLED表示です。「Laview」の文字は鏡面仕上げで、反射します。

西武鉄道001系電車外装

窓の大きさが際立っています。リビングを意識したとのことですが、車内がとても明るいです。ただ、車外から座面が丸見えなのが気になるところです。

インテリア(内装)

筆者が乗車した5号車を中心にご紹介します。

西武鉄道001系電車車内

車内は、明るい黄色でまとまっています。座席がとても鮮やかです。普通車ながら床にカーペットが敷かれていて、グリーン車並みの高級感があります。

西武鉄道001系電車車内

座席はコクーン型のリクライニングシートです。座っていて包まれ感があり、快適です。各座席が独立したソファー状であるため、体形が大きいと座れないことがあるかもしれません。

西武鉄道001系電車車内

シートの座面。ひじ掛けには小さなテーブルと電源コンセントが配置されています。車内ではフリーWIFIが利用できるので、スマートフォンやPCが使いやすくなっています。

西武鉄道001系電車車内

座席の背面。コクーン型シートならではの曲面デザインです。物入れとドリンクホルダーが付いています。特急「ちちぶ」号は途中の飯能駅で進行方向が変わりますが、座席の向きも自分で転換できます。

西武鉄道001系電車車内

テーブルもシートに合わせ、曲面になっています。鉄道車両にしては、他に類を見ないような斬新さです。

共用部分

西武鉄道001系電車デッキ

5号車のデッキ。「ラビュー」がブルーリボン賞を受賞していることが分かります。

西武鉄道001系電車デッキ

男女共用トイレ、女性専用トイレ、男性専用トイレと洗面所があります。明るい黄色でまとまっているので、圧迫感がありません。

西武鉄道001系電車パウダールーム

パウダールーム(洗面所)の中には複数の鏡・姿見やハンドドライヤーが設置されていて、女性の利用には最適です。ここはショッピングモールではないかと、錯覚を抱きます。

西武鉄道001系電車デッキ

1号車は、デッキ、洗面所、座席ともバリアフリー仕様です。

西武鉄道001系電車多目的トイレ

洗面所の中には着替えのためのチェンジングボードやベビーベッド、多目的のトイレが設置されていて、万人向けに最適化されています。

特急ラビュー「ちちぶ」号で池袋駅から西武秩父駅へ

三峯神社に向かうための足として、特急「ちちぶ」号に乗車しました。全区間の所要時間は約1時間20分です

特急「ちちぶ」号|下り西武秩父駅ゆき

西武池袋駅駅名標

西武線池袋駅には、朝7時過ぎに到着。

特急ラビュー行先標

特急列車の行先案内標。日中は、特急西武秩父駅ゆきと飯能駅ゆきが30分間隔で走っています。

西武池袋駅特急のりば

池袋駅の特急のりば。日中混雑する池袋駅ですが、朝イチは人が少なく静かです。

西武鉄道001系電車池袋駅にて

車両の先頭部

西武鉄道001系電車外装

特急「ちちぶ」号の行先表示。明るく輝いています。

早朝の特急「ちちぶ」号は空いていて、静粛な車内が快適です。飯能駅までは住宅地を走ります。飯能駅で、進行方向が反対に。乗務員交代のために停車時間が長くなるのが一般的ですが、ここでは別の乗務員が待ち構えているため、停車時間がほとんどなく発車。

飯能駅から山間部に走り、高麗川の渓谷沿いをゆっくり駆け抜けます。運転席からの前面眺望が各号車のモニターに表示されます。

特急「ちちぶ」号|上り池袋駅ゆき

西武秩父駅駅舎

西武秩父駅には「祭の湯」が併設され、清潔感ある機能的な駅舎です。待合所はないため、祭の湯の中で待機すると良いでしょう。

西武秩父駅特急のりば

特急列車は、特急列車用ホームから発車します。特急のりばへの専用口を進みます。

特急ラビュー池袋駅ゆき行先標

池袋駅ゆきの行先表示。少し暗めに撮れていますが、車体の輝きが上品です。

週末午後の池袋駅ゆきは多くの利用がありましたが、8両編成と列車にキャパがあるため、満席にはならず快適に過ごせました。飯能駅以降の各駅で乗車するユーザーも多く、沿線在住者にも多く利用されていることをうかがい知れました。

まとめ

西武鉄道001系電車西武秩父駅にて

2019年にデビューした新型車両の特急「ラビュー」。車内はリビングのように明るく、居心地がとても良いです。

秩父地方の最奥に位置する三峯神社までの道中は修行のように長いのですが、この列車を利用することでかなり負担が減ります。

全車指定席の特急「ラビュー」に乗車するには、乗車券の他に特急券が必要です。新型車両の特急料金としてはかなりリーズナブルな設定で、池袋駅から西武秩父駅までの全区間乗車しても特急料金は大人900円と比較的良心的です。

列車の運行頻度が高く、1編成当たり8両が繋がれていて、座席の供給数が多いです。したがって、特急券は乗車当日駅で購入しても問題ありません。もちろん、ネット予約サービス「Smooz」で事前に特急券を購入すれば、好きな座席を選択可能です。

リピートしたくなること間違いなしの列車です!

この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!

参考資料

● 特急電車・座席指定列車(西武鉄道)2024.01閲覧

特急電車・座席指定列車
西武鉄道の「特急電車・座席指定列車」について。西武鉄道のご利用に関する情報をご紹介。運行情報から、各駅時刻表、路線図、特急ラビュー・特急レッドアロー号・S-TRAIN・拝島ライナーのご案内、乗換案内、運賃、臨時電車情報、バリアフリー施設なの...

● 西武鉄道新型特急車両「Laview」(西武鉄道)2024.01閲覧

西武鉄道新型特急車両「Laview」
2019年3月にデビューする西武鉄道新型特急車両「Laview」の特設Webサイトです。

改訂履歴 Revision History

2024年4月24日:初稿 修正

2024年3月26日:初稿 修正

2024年3月18日:初稿 修正

2024年01月23日:初稿 修正

2024年01月22日:初稿

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